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付喪堂骨董店7

tukumo07.jpg 
付喪堂骨董店7
御堂彰彦/電撃文庫


シリーズ最終巻。
読み終わりました。

ついに明らかになる真実。
刻也の決断は、都和子の決断は。
そして咲の運命は。

以下、見たら話が面白くなくなってしまうネタバレ満載なのでご注意を。
 
 

シリーズ最終巻。
とても分厚かったです^^;
今回で何もかも真実が明らかになります。

まず、刻也が『ヴィジョン』だと思っていた自分の義眼はヴィジョンではなかった。
そして咲の義眼こそが死の未来を見る『ヴィジョン』だった。

では、刻也の義眼はなんだったのかというと、『ファーティマの眼』
これはある殺人鬼に対抗するために都和子が持たせた、殺意を吸収して上乗せして相手に返すアンティーク。

刻也と咲が初めて出会った日、咲は殺人鬼に殺され、咲を守ろうとした刻也も右目を失った。
咲を救おうとして刻也が辿り着いたのが『付喪堂骨董店』だった。

そこで刻也は『ファントム』というアンティークを手にする。
それはある者の胸に突き刺すことで、その者の死を起点に世界を戻すアンティーク。
刻也はそれを使い、世界を咲が死ぬ前の世界に戻した。

だが、世界が戻ると記憶も忘れてしまう。
『消える』わけではなく『忘れる』ここがポイント。

ファントムの存在と能力を知っている付喪堂の店主『刹華』と、同じくもう一つの付喪堂の店主『都和子』は世界が戻されても、何が起きたのか記憶を辿って思い出すことが出来る。

そして『ヴィジョン』によって死の未来を見ることが出来る咲も、自分が何度も死んでいることを知っていた。
知らなかったのは刻也だけ。
刻也の危機になると訪れる『未来視』は、ヴィジョンの能力ではなく、刻也の繰り返された人生の記憶そのものだった。


咲が初めて死んだ日に、刹華は刻也にファントムを渡し、刻也は咲にファントムを使い、世界を戻した。
そして都和子は刻也と咲を守ろうとしたが、世界は運命をねじ曲げることを許さないかのように、どんな対策を講じても、咲は必ずどこかで殺されてしまった。

やが都和子は疲れてしまい、刻也に全てを話さなくなった。
知らない方が幸せだと、刻也に嘘をついて、『ファーティマ』を『ヴィジョン』だと偽って渡していた。
だが、アンティーク『魔導書』の登場により、事態は変化する。

幾度も繰り返した世界の中で、『魔導書』が出てきたのは初めてだ。
魔導書は、アンティークの名前と打ち消すべき効果を書いて唱えることで、アンティークの効果を打ち消すことが出来る。
ただし、それにはアンティークの効果が発動される現場に立ち会わなければならない。

これでこの不幸なループを終わらせることが出来ると考えた都和子は、咲を殺し、刻也のファントムが世界を巻き戻す時に、魔導書の力でその力を打ち消し、世界のループを止めようとした。
咲を生かすために、多くの人が巻き込まれて不幸になったと都和子は考えている。
それは、刻也に手を貸した自分の罪でもあると。

だから自分の手を汚してでも、このループを終わらせようと考えたようだ。
都和子を最後まで信じようとした刻也だが、都和子の決意は変らず、二人はアンティークの力を駆使した駆け引きを始める。

互いにアンティークを知り尽くしている二人の、裏をかいての二転三転する駆け引きの展開は、なかなか見応えがあった。

ただ、あまりにもラビリンスと魔導書が万能アイテム過ぎたのがちょっと残念でした。
もっといろいろなものを使って欲しかったとか。

そして最後に、刻也は咲からファントムを抜き、自らの胸に突き立てる。
『ファントムは世界を戻さず、来栖刻也と舞野咲だけを戻す』
それが、魔導書に刻也が記した言葉。
刻也の決断であった。



ラストですが、気がつけばループものになっていました。
う~ん、私の好きな作品にはループものが多いいのですが、これがこうも典型的なループもので終わるとはちょっと意外でした。

都和子が咲を殺して世界が戻るのを止めようとしたりする気持ちも分かりますし、それを刻也に告げる心情もかなり苦しかったのだろうなと、充分同情は出来ますが、やはりこれは刻也が正しいかなと。
その刻也は正しいのは都和子で、自分のはエゴだと思っているようでしたが。

世界が戻ったことによって、運命がちょっとだけ変わり、それによって死ぬはずのない人が死ぬ。
それが罪なんだそうですが、しかしその場合、死ぬはずの人が死んでいなかったりするんですよね。
前者が罪なら、後者はなんでしょう?

私個人は、日常である選択をしたら別の未来があったというだけのことで、普通は誰もそれを認識できない。
それを認識できる人だけが、自分の選択により未来が変って死ぬはずのない人が死んだと、罪を感じているだけなのではと言う気がする。
知らなければ、それはどこにでもある、ただの未来でしかないような。
そこに自分の些細な選択が絡んでいたかどうかなど、自分も含めて誰も知ることは出来ない。

罪なんて本当はどこにもないような気がするんですけどね。
他人に認識できないものが認識できてしまうために、都和子や咲はそれを『罪』だと感じてしまう。
だが、物語を最初から思い出してみれば、それがその世界のありようで、本当は罪などは無いように思えるのですが、どうなのでしょう。


それはともかく、刻也に信じられて、それを冷たく突き放す都和子の描写はよかったな~と。
何か辛さが滲み出ていました。
辛かっただろうな~。

咲は物わかりがよすぎて、諦めがよすぎて、ほとんど出番がなかったのが残念。

刻也のあがきと逆転は見事でしたが、どうも私がこの手のループもの作品を見過ぎているせいか、先が何となく読めてしまって、素直に盛り上がれませんでした。
ちょっと損をしているな私(-_-;)
こういう往生際の悪い、あがく主人公は大好きなのですが。



これでもう、この話はおしまいというのがちょっと残念。
刻也と咲のすれ違いネタはもうちょっと見てみたかったような。
というか、物語は完結したわけではないですし、こうなったら短編でも是非(笑
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コメント

No title

まだ読んでないので本文すっ飛ばしてコメント欄にきました。
7巻でラストですかー
2巻までは読んで結構このシリーズは気に入っていたりするんですけど、最終巻はどんな出来でしたでしょうか。
まぁたとえ出来が悪くても、前文で咲に何があるのか気になり出した時点でそのうち買うとは思いますが(笑)。

  • 2010/03/19(金) 15:26:53 |
  • URL |
  • SET #ekI9GEUo
  • [ 編集 ]

No title

今巻は私個人の感想としては「普通」です。
ネタバレを避けて書くのが難しいのですが、非常に無難すぎたかなと。
そこがこのシリーズのいいところでもあるのですけど、今回はちょっと・・と言う感じでした。
ただ都和子の描写だけはよかったな~と感じましたね。

  • 2010/03/20(土) 19:18:28 |
  • URL |
  • 木陰(南斗) #leF2ecbc
  • [ 編集 ]

No title

もともと「無難」なところがウリな作品だと思います。

よくまとまっているんですよ。
以前に登場したキャラクターやアンティークを効果的に活用できており、それらの組み合わせがなかなか面白かった、という評価は同じです。ただ、この作品でいきなり突飛なラストになってしまってもびっくりしちゃいますし、無難なラストでしたがこれはこれで良かったのかな、と思います。ラノベとしては比較的よくまとまっているのですが・・・ 多分、今後もヒットすることがない作家さんだと思います。好きですけどね、この人(^^;

あと、「ループもの」ということだと、SF古典になりつつある『リプレイ』がありますし、ラノベなら谷川流の「ハルヒ」シリーズや「学校を出よう!」シリーズがあります。ま、あ『リプレイ』とは違って、刻也は「前世」の明確な記憶を持っていません。あるいは「アスラクライン」シリーズの様に、前の世界の記憶を持ったまま、次の世界で自分の存在を「上書き」できる訳でもないので・・・ 都和子さんの言っている「罪」というのがイマイチ認識出来なかった、というのは判る気がします。

こういう
 「無難だけど、つくりのしっかりしたラノベ」
だと、『夏月の海に囁く呪文』があります。特にどうということはないですし、売り上げもしょっぱかった(重版なし)みたいですけど、個人的にはお気に入りです。機会がありましたら、是非ご一読下さい

  • 2010/04/10(土) 02:17:47 |
  • URL |
  • オジオン #-
  • [ 編集 ]

No title

この作品は当初から非常に良くまとまっていますね。
私はまさか最終巻でループものになるとは思っていませんでしたので、逆に意外ではありました。
ただ、私はどうもこのパターンが慣れてしまっていた展開だったため、ひっかかってしまいました。
物語の出来はいつもどおりなはずなので、ある意味本当に無難と言えば無難ですね。

>夏月の海に囁く呪文
なかなか雰囲気が良さそうですね。
機会があったら読んでみます。

最近は赤字続きで、本買う費用も食費もどう減らすかが課題になっています(-_-;)

  • 2010/04/11(日) 08:34:06 |
  • URL |
  • 木陰(南斗) #leF2ecbc
  • [ 編集 ]

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