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徒然なるままに・・・

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神様のメモ帳

「では今一度訊こう、
ぼくの手は彩夏が隠しておきたかった真実さえも暴き立て、
無知によって保たれたはずのきみの平穏を破壊する可能性がある。
それでも知りたいか?」


それでも
それでも、僕は――

いや~なかなか良かったですよ。

以下ねたばれレビューです。


神様のメモ帳 杉井光 電撃文庫

kami.png


たぶんどこにでもいそうな人付き合いの下手な高校生の主人公、藤島鳴海。
そしてその藤島に接近する園芸部員の彩夏。
彩夏に連れられて行った『ラーメンはなまる』で藤島は様々な人に出会う。

ラーメンはなまるの店主、ミン
藤島と同じ高校を中退したテツ先輩。
一応大学生でガンダムかぶれ?の少佐(向井)
職業ニート、桑原宏明ことヒロ
そしてヤ・・・四代目

そして自称
失われてしまった言葉を墓の底から掘り返して、
死者の名誉を守るためだけに生者を傷つけ、
生者に慰めを与えるためだけに死者を辱める
ニート探偵アリス

主要な脇役陣は、彩夏とミンを除くとみんな自称ニートだ。
リアルだったら肯定できないというか、とくにヤ・・・四代目とか、願い下げなのだが、ここはフィクション、ただのお話ということで、こういう人もいてもいいだろう。

この物語の主人公、藤島鳴海は彩夏との出会いによって少しずつだが心の壁を取り払らわれていく。
だが、そんな時に彩夏が校舎の屋上から飛び降り自殺をする。

何も気づけなかった自分、そして何も出来ない自分の無力さを噛み締めながら、それでも精一杯不器用にあがく主人公の姿はちょっと良かった。
それは死んだ彩夏のためでなく、自己満足に過ぎないとわかっていても、あがかずにはいられない。

いいですね~
主人公は本当に無力です。
それを自分でも自覚していて、自分の心に突っ込み入れながらなおももがく姿が本当に良く書かれていて好感が持てました。
主人公は本当にいい。
そして、その主人公にいつも辛辣な事実を突きつけるニート探偵アリスのキャラもよかった。
辛辣なだけでなく、妙に屁理屈だけこねてみたり、意外に照れやだったり。
この二人+彩夏のキャラは本当に良い感じに書けていてとても気に入りました。

ただ、残りのニート軍団は、私がリアルでいろいろあったためか、フィクションと割り切っていてもちょっと抵抗があったというか^^;
それを差し引いても、前述の3人が非常に良かったので、作品も一気に読めました。

ただ、黒幕のあの人が結局何をしたかったのかがいまいちわからない。
研究(実験)のためだけにあんなことをするもんだろうか。
むしろ営利目的だったほうがわかるのですが・・・

主人公達がとてもよく書けていた分、こちら側はなにかとってつけたように終わってしまった印象でした。
もっとも、そこはあまり重要ではない。
物語の軸となる事件なのにもかかわらず、そこは重要ではなような気がする。
というか、本当にあっさりと終わったな^^;


この話は、とにかく無力な主人公が精一杯あがく様を書ききった作品と言えるだろう。
そしてその主人公を際ただせるのがアリスの存在だ。
まったくこの二人は見事なコンビだった。



なかなかの掘り出し物でした。
既に2巻は出ているそうなので、そちらも機会を見て購入して読もうと思います。

―――ところで。
みんなやたらと彩夏を死者死者言ってますが、死んでませんよ?^^;
(まあ、死と同義という意味で言っているのでしょうけど^^;) 


「僕は神様のメモ帳を見たことがある。そこに書かれた十四万四千人の名簿も見たことがある。君の名前はなかった」

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